BASS ANATOMY

ベースの仕組み

レギュラーチューニングで読み解く、指板のルール

4本の弦はどんな関係で並んでいるのか。同じ音はどこにあるのか。フレットを押さえると、なぜ音が変わるのか。指板の「ルール」がわかると、覚えることはぐっと減ります。

01

4本の弦は「4度」ずつ並ぶ

FOUR STRINGS

レギュラーチューニングは、低い方から E・A・D・G。となり合う弦はすべて完全4度(半音5つ)離れています。ギターと違って例外が1つもないので、ベースの指板は「どこでも同じルール」で動きます。

POINT

ベースの楽譜(ヘ音記号)は、実際の音より1オクターブ高く書かれます。楽譜の「ミ」を弾くと、実際にはその1オクターブ下の E が鳴っています。

02

5フレット = となりの開放弦

UNISON

4弦の5フレットを押さえると A。これは3弦の開放とまったく同じ高さの音(ユニゾン)です。弦どうしが半音5つずつ離れているので、どの弦でも「5フレット=1本上の開放弦」が成り立ちます。

矢印でつないだ2つの音は同じ高さ。チューニングでは、この2つを聴き比べて合わせます。

RULE

1本高い弦に移る = 5フレット分進むのと同じ。だから同じ高さの音は、1本上の弦では「5フレット手前」にあります。

指板のどこかを押すと、同じ高さの音とオクターブ違いの音が光ります
例:2弦開放と同じ G(G2)の場合
同じ高さの音オクターブ違い(同じ音名)

03

オクターブの関係

OCTAVES

オクターブ上の音は、振動数がちょうど2倍の音。名前は同じで、高さだけが違います。ベースでは、オクターブ上がどこにあるかが4つの形で決まっています。

RULE

同じ弦なら12フレット先。そこから1本上の弦に移るたびに5フレット戻る(12 → 7 → 2 → −3)。この引き算さえ覚えれば、オクターブはどこでも見つかります。

E の音を低い方から並べると、振動数は 41.2 → 82.4 → 164.8 → 329.6 Hz と2倍ずつになります。

04

フレットを押さえると、なぜ音が変わる?

WHY FRETS WORK

弦の音の高さは、振動する部分の長さで決まります。フレットを押さえると、そのフレットが弦の新しい「端」になり、そこからブリッジまでの短い部分だけが振動します。短いほど速く振動して、音は高くなります。

弦長 34インチ(約864mm)のベースの場合。12フレットはちょうど真ん中で、長さが半分=振動数2倍=1オクターブ上。

弦
フレット
振動する長さ
周波数
音
弦の振動数を決める3つの要素
f = 12L √T / μ
意味ベースでは
L振動する長さフレットで変える(短い→高い)
T弦の張力ペグで変える(強く張る→高い)
μ弦の重さ(1mあたり)弦の太さ(太い・重い→低い)
フレットの間隔がだんだん狭くなる理由

1フレット進むごとに、振動する長さは約94.4%(2の12乗根分の1)になります。「同じ量」ではなく「同じ割合」で短くなるので、高いフレットほど間隔が狭くなります。

05

ハーモニクス

HARMONICS

弦は全体で揺れる振動(基音)と同時に、1/2・1/3・1/4…に分かれた振動(倍音)もしています。振動しない点=節(ふし)に指を軽く触れて弾くと、基音が止まり、その節を持つ倍音だけが残ります。これがハーモニクスです。

点線がフレット位置。丸い点が節で、ここに触れるとその倍音が鳴ります。フレットを押さえるのではなく、フレットの真上に軽く触れるのがコツ。白抜きの点(例:4倍音の12f)は低い倍音と共通の節なので、触れると低い方の倍音が鳴ります。

弦
倍音
触れる位置
開放弦からの音程
周波数
音
TUNING

4弦5フレットのハーモニクスと3弦7フレットのハーモニクスは、どちらも E(E3)。同じように3弦5f=2弦7f、2弦5f=1弦7f。2つを同時に鳴らし、「うなり」が消えるように合わせるとチューニングできます(厳密には約2セントの差があります)。