4本の弦はどんな関係で並んでいるのか。同じ音はどこにあるのか。フレットを押さえると、なぜ音が変わるのか。指板の「ルール」がわかると、覚えることはぐっと減ります。
レギュラーチューニングは、低い方から E・A・D・G。となり合う弦はすべて完全4度(半音5つ)離れています。ギターと違って例外が1つもないので、ベースの指板は「どこでも同じルール」で動きます。
ベースの楽譜(ヘ音記号)は、実際の音より1オクターブ高く書かれます。楽譜の「ミ」を弾くと、実際にはその1オクターブ下の E が鳴っています。
4弦の5フレットを押さえると A。これは3弦の開放とまったく同じ高さの音(ユニゾン)です。弦どうしが半音5つずつ離れているので、どの弦でも「5フレット=1本上の開放弦」が成り立ちます。
矢印でつないだ2つの音は同じ高さ。チューニングでは、この2つを聴き比べて合わせます。
1本高い弦に移る = 5フレット分進むのと同じ。だから同じ高さの音は、1本上の弦では「5フレット手前」にあります。
オクターブ上の音は、振動数がちょうど2倍の音。名前は同じで、高さだけが違います。ベースでは、オクターブ上がどこにあるかが4つの形で決まっています。
同じ弦なら12フレット先。そこから1本上の弦に移るたびに5フレット戻る(12 → 7 → 2 → −3)。この引き算さえ覚えれば、オクターブはどこでも見つかります。
E の音を低い方から並べると、振動数は 41.2 → 82.4 → 164.8 → 329.6 Hz と2倍ずつになります。
弦の音の高さは、振動する部分の長さで決まります。フレットを押さえると、そのフレットが弦の新しい「端」になり、そこからブリッジまでの短い部分だけが振動します。短いほど速く振動して、音は高くなります。
弦長 34インチ(約864mm)のベースの場合。12フレットはちょうど真ん中で、長さが半分=振動数2倍=1オクターブ上。
| 意味 | ベースでは | |
|---|---|---|
| L | 振動する長さ | フレットで変える(短い→高い) |
| T | 弦の張力 | ペグで変える(強く張る→高い) |
| μ | 弦の重さ(1mあたり) | 弦の太さ(太い・重い→低い) |
1フレット進むごとに、振動する長さは約94.4%(2の12乗根分の1)になります。「同じ量」ではなく「同じ割合」で短くなるので、高いフレットほど間隔が狭くなります。
弦は全体で揺れる振動(基音)と同時に、1/2・1/3・1/4…に分かれた振動(倍音)もしています。振動しない点=節(ふし)に指を軽く触れて弾くと、基音が止まり、その節を持つ倍音だけが残ります。これがハーモニクスです。
点線がフレット位置。丸い点が節で、ここに触れるとその倍音が鳴ります。フレットを押さえるのではなく、フレットの真上に軽く触れるのがコツ。白抜きの点(例:4倍音の12f)は低い倍音と共通の節なので、触れると低い方の倍音が鳴ります。
4弦5フレットのハーモニクスと3弦7フレットのハーモニクスは、どちらも E(E3)。同じように3弦5f=2弦7f、2弦5f=1弦7f。2つを同時に鳴らし、「うなり」が消えるように合わせるとチューニングできます(厳密には約2セントの差があります)。